マロンちゃんとぼく

oriemon2005-01-29


今日はおりえが終日忙しそうにバタバタと動き回っていた。わかさんを起こして、ごはんを作って洗濯して。でも、こいつの部屋は散らかっている。偏った女だ。
ぼくは、そんなおりえを尻目にしながら、マロンちゃんと戯れていた。マロンちゃんの中はほわほわしていて気持ちいい。ぼくがムズムズ動くと、マロンちゃんは、「んふふ、くすぐったいわ、コフルぅ」と云う。それを聞くと、ぼくはゾクゾクして躰があつーくなってくる。なんだか気持ち良くて、ぼくは何度もモゾモゾ動いた。マロンちゃんは、何度もくすぐったいって笑った。
おりえはお風呂から上がってきて思いっきり背伸びをする。なかなか服を着ない。鼻水がずるずるで鼻の下を赤くしてるくせに、どうして早く服を着ようとしないのかが、ぼくには理解できない。おりえは学習しない女なんだ。
やっと落ち着いてパソコンの前に座ったオリエは、いきなり鼻をかむために、マロンちゃんからティッシュを引き抜いた。ぼくが入ってるのが見えないのかっ!! ぼくは突然の出来事に対応できなくて、一緒に引き出されて飛んでしまい、新明解国語辞典の角に頭をぶつけた。
「コフル、だいじょうぶぅ?」
まったく気づかないオリエに呆れながら、マロンちゃんが聞いてくれる。うん、だいじょうぶ。答えながらマロンちゃんをみたら、ちょっと笑ってた。この人は案外冷たい女なのかもしれない・・・
ぼくはまたよじ登って、マロンちゃんの中に入る。
3回目に引っこ抜かれたときに、やっとオリエが気づいた。
「あんたそんなとこで何してるん。ティッシュ抜きにくいやん」
ずっと知ってたのか!
「辞書の角が折れるから、ぶつかるなら壁にしてくれる?」
ママン、手触りが愛されていたぼくの肌は、新明解国語辞典のせいで、ちょっと硬くなってるよ。
ママーーーーーーーーン!!
呼んでみただけ。