ちょっとだけ
弱っていたら、怒られた。
私の周囲にはいつもなぜかたくさん人が居て、みんなが優しくしてくれる。
今、ずっと一緒に仕事をしたかった大好きな編集者さんと組めることになり、毎日のように連絡を取り合っているのだが、その人が私を「姫」と呼ぶ。
「姫、あの原稿、いつまでに仕上がる?」
敬語ではないところが、また嬉しい。
小さい頃から、私はどこに行っても誰かに「姫」と呼ばれるので違和感はないのだが、今回の相手は某出版社のヒットメーカーなだけに、ちょっと照れくさい。
このヒットメーカーは、とんでもなくマメで、真綿で締め付けるようなプレッシャーを与えてくれる。
「姫に任せておけば、おもしろい原稿があがってくるからねぇ」
おもしろいもの書かないと!
私はそんな些細なことで、弱る。
勝手に泳がせておいてくれれば、いくらでも書き殴れるのだが、ちょっと負荷をかけられると、途端にぺしゃんこになるのだ。
ちっちゃいなー、あたし。
嘲笑してる場合じゃない。
こんな日記書いてる場合でもない。
たった38W×20Lが、もう4時間も真っ白な原稿用紙のままだ。
締め切りは明日。
頑張れ私。