食事

oriemon2005-01-25


ぼくの激ヤセぶりを見て、鈍いオリエがついに食事を作ってくれた。まだヒヨッコのぼくに、味噌ベースの鍋。同居人のワカさんと三人でオリエの作った晩御飯を食べた。
ちょっと味付けは薄いけど、まぁまぁ美味しい。きっと久々にご飯を食べるボクのために、わざわざ薄味でお腹に優しいお鍋にしてくれたんだ。
って、おもってたのに。
「うっわ、これ味薄いな〜。出汁入れて味付けしなおす?」
おりえはやっぱり、そんなに良いやつじゃない。みんな騙されてるんだ。ママンはやっぱり、騙されてボクをおりえに引き渡したに違いない。どうにかしてママンにボクの境遇を伝えられたら良いのに。きっとすぐに助けにきてくれるはずだ。もしママンが来てくれたら、ティッシュケースのマロンちゃんも一緒に連れてってあげよう。マロンちゃんは昨日からあの可憐な頭の上のティッシュを出せなくなってしまった。
「おりえさんがね、使い切っちゃって。面倒くさいって新しいのを入れてくれないのよ。空箱が今わたしの中に入ってるんだけど。ふふふ。なんだか寂しいわ」。
ママンのとこに一緒に帰れたら、そんな切ないおもいはさせないよ。マロンちゃん、ママンがいつか迎えにきてくれるまで、我慢していてね。二人で、おりえと戦おうね。
おりえは鍋の後片付けをして、ボクをまた部屋に連れて入った。いつもの定位置、キーボードの上にぼくを座らせて、「コフルー、デザート食べる?」
ぼくはとてもびっくりして、おりえの顔を覗き込んだ。ニコニコした笑顔が意外と可愛い。おりえって、こういう優しさはあるのか・・・ ぼくは「デザート食べる!」と元気に返事して、いい子にして待ってた。
出てきたデザートはストロベリーパフェ。ぼくの身長からだと、上にピーチが乗っているのがわずかに見える。うう・・・美味しそうだ。
でも、でも、でもでも、こんな背の高い器に入ってたら届かないよっ!!
「コフルちゃん、どーぞ。たくさん食べてね」
ニヤニヤ笑うおりえが憎いよ、ママン。