コラテラル

ふーーーーーーーーーーーん。
ってかんじ。
例によってネタバレ一切気にしないので、これから見る人は読まないで。だめ、ぜったい。
で、見終わって、ふと思い出した映画。「パーフェクト・ワールド」。そう、あのかずくんと大昔に観に行ったやつだ。あのときのかずくんの、すごい困った顔は一生忘れない。いや、そんな話はどうでもいい。思い出した。パーフェクト・ワールド。あの映画、たしかケビンコスナーが初めての悪役に! とかって騒がれてるってかずくんが云ってたの。そんで見終わって、云った言葉。「ケビンコスナー、どこが悪役なん?」。めっちゃええ人やん!
悪役はどこまでも悪役で、なんてことは云わないよ。いろんな面があるのが当然だし。歩み寄ると、すべての人に正義があるからさ。でもね、なんか、それを宣伝材料にしてるんだったら、果てし無く悪役でいてほしいじゃない。もう、救いようのない、とんでもないイヤなやつを演じきってほしいわけよ。観客としては。それが観たくて行ってるわけだしさ。
それを考えたら、こないだ観たデンゼルワシントンはえらかった。どの映画かわからないけど、あの不正を働いてる刑事の役のやつ。あれ最初から最後までずっとイヤなやつだもん。あれは小気味良いよ、むしろ、役者として天晴れだ。素晴らしい、っておもった。なのに何よ。トムクルーズ、おいこら。
一緒に観に行ったワカコは、途中からずっと「こんな僕です」って言葉が脳内を駆けめぐり、笑えてまともに見られなかったらしい。べつにトムクルーズが「こんな僕です」ってどこかで云ったわけじゃないんだけど。勝手にワカコが「ぼく、今回こんな役やっちゃってます。どうですか、こんなぼく。こんなのもしちゃいます、えへへ」ってのを小さくまとめて「こんなぼくです」って云ってるんだけど。きっとあのニュアンスだと、そういうことを、ワカコは云いたかったんだと思われる。勝手に長い解説を付けたんだけどさ。
ワカコの気持がよくわかる。
そんな映画だった。
悪者になろぉよぉ。ハリウッドは、ぜひ、日本の水戸黄門桃太郎侍を見て、心のそこからイヤなやつってのを研究してほしい。テレビ版のドラえもんに出てくるジャイアンでも可。テレビのジャイアンは本当にいけずで見ていて不愉快だ。そういうイヤなやつを主人公にして「見ていて心底不愉快になる映画」ってのを作ってみてほしい。だめかな。
ぁ、上映されても観たくないかもしれないな。だめだな。
あとね、伏線が浅い。見てて、全部分かる。これ、ああなるな、とか。ここ、伏線だなとか。わかっちゃだめなのよ。観たあとで、あああ! って気付くような、伏線が活かされたときに初めて伏線だったんだって分かるような仕掛けが好きなのよ。伏線が出てきた瞬間に、あ、これ覚えておかないとって勘づいてしまうようなのはだめだよ。お金とってるんだから! と、今日はちょっと勢いがあるわたし。それはなぜかというと、手相を見てもらってきたから。