こころ 夏目漱石

日本を代表する作家は? そう聞かれたら、やはり夏目漱石と答えてしまう。
まず、読みやすい。いい文章は詰まらない文章。Nさんと二人でよく云ってるのだが。読みやすいものとは、イコール入ってきやすいものだ。吸収しやすいものは、身体に優しい。
夏目漱石の文章というのは、数ページ戻って読み返したりしなくていい。サラサラと読み進み、気づくと登場人物にシンクロしていたり、涙がこぼれていたりする。「胸がふさがるような気持」と書いてあれば、同じように胸がふさがるような気持に陥っている。すごすぎる。
もう、好きとか嫌いとかを超越してるな。この「超越」の部類に入るのは、太宰治芥川龍之介瀬戸内晴美山田詠美与謝野晶子 今思いつくのはこれくらい。あとは先入観を打ち砕くだけの破壊力がない。まだまだ私が多くの作品を知らないだけだろうけれど。
本棚を漁って、破壊力のある作家を探してみよう。
かずくん、あの本だけどさ。
メールでも送ったように、かずくんは作品に迫ってくるような圧迫感とか迫力を求めてる節があるように思うのね。そこで物足りないんじゃないだろうか。と、思います。おりえにも物足りない。ところどころ片鱗はあるんだけれど。作家の実体験に触れる部分にだけ、迫力のある人なのかもしれないね。