水辺のゆりかご 柳美里著

柳美里って、知ってるか。あいつはな達者なうそつきや。作家になるために産まれて、なるべくしてなった作家や」
師匠の口から名前が出たものは絶対に目を通すことにしている。小説でも映画でも、何でも。早速探しに行って、なんとなく「ゆりかご」って響きが素敵に感じたので、これにした。
師匠の云ってた言葉に全面的に納得。この人すごい。人間的にはいろんな問題があるだろうけれども。一作家として、本当にすごい。カッコイイ。かなり気に入ったので他の作品も読んでみることに決めた。そして最後に載っていた解説が林真理子で、実は初めて林真理子の文章を読んだのだけれども。確かに俗だな、と思った。師匠の表現があまりに的確で、私はまた歯ぎしりしてしまう。今の私には、林真理子は入ってこない。いつか感じれる日が来るんだろうか。師匠に聞いてみたら「来んと思うけど。来たら俺がおまえをおもしろいと思わなくなるんちゃうか」と即答された。がふー。