戦場のピアニスト

ダイッキライだこんな主人公。なんだよコイツ。映画が終わりかけて私は主人公を指さして云った「コイツ、きらいや」。あっちゃんはなんでって聞いたけど、あまりにもムカついて言葉が出なかった。単に運のイイ人。コイツ何もしてないやん。自分だけ助かるために人を蹴落として戦ったっていうんなら話は別だけど。そういう目的のためには手段を選ばない人間は好きだけど。こういう何もしない人間はダイッキライだ。あっちゃんの感想がすごい的確だと思った。「宝くじ当たった人の物語みたい」。うんうん。その通りだと思うわ。
そもそも「私ピアノやってたのぉ」って初対面から2回目くらいで語りだす人間に私と性格的に合う人間はいない。ピアノとバレエやってる人って云うんだよ。なんか知らんけど。聞いてないのに、云う。「私ピアノやってたから」。だからなに? 私が貧乏育ちだから僻んでるのかなぁって思ったりもしてたんだけど。違うな。今日確信した。僻みじゃねぇ。ウザイんだ。
いつも育ちのイイ人が好きだって云ってたけど、やっと分かった。私はちゃんと親が躾けしてる人が好きなんだ。こいつは躾けられてない。躾けって悪い意味に取られるかもしれないけれども。挨拶とか、お礼とか、敬語とかって、すごく大切。年下だから敬語使ってよなんてことは思わないし、後輩で私を呼び捨てにしてる人間はいっぱいいて、みんな仲良しだ。敬意を払うべきところ、筋を通すべきところ、TPOをわきまえるってのが大切なんだ。別に親が教えてくれなくても必要だって感じたら自分で身につければ良い。それを大切だって気づけない人間が、嫌い。友達に一人、連れて歩くのが恥ずかしい子がいる。一時期、その子の彼氏のために彼女を連れ歩いていたんだけど、耐えれなかった。なんか卑しいのだ。一人っ子で育ってるし、家もそこそこ金持ちなのに、なんか卑しい。でも自分では礼儀正しいつもりでいる。箸の持ち方から、上げ下ろしまで教えたけど、やっぱりダメだった。キヨミは箸はちゃんと持てないし、めちゃくちゃ行儀悪いけど、卑しさは感じない。あれは親の躾けだと思う。決定的な区別できる言葉が思いつかないけれども。この映画の主人公は、卑しい。
こんな後味の悪い映画は久しぶり。民族紛争とか、そんなのが消し飛ぶくらい、この主人公が不愉快であったまくる。なんでこんな映画が良いって評価を受けてるのか、全然分からん。無差別な殺戮シーンは確かに感じるものがあった。息を飲んで、目を閉じたシーンも多々あった。でも、でもこの主人公は許せない。許しても仕方ないんだろうけれども、もう本当にムカついて仕方ない。こんなやつ最初に射殺されたら良かったんだ。