ハスラー

もちろん若き日のポールニューマンが目当てだ。タイトルから、当然私はイロんな妄想を繰り広げていた。伝説のハスラー天下一武道会みたいなのでばったばったと強豪ハスラーを倒していく。カリスマハスラーであるポール・ニューマンは若いキレイなお姉ちゃんにモテモテでウハウハそんな映画だとばかり思っていた。でもよく考えたらそんな底上げしたような浅はかな内容がこんなに生き残っている訳もなく。またしても自分の頭の悪い予想図に呆れた。
ポール・ニューマンは、クールハンドルークで見せてくれた笑顔で、今度はとっても渋い渋いダメなお兄さんを演じている。見る人が見たら、人間のクズ。でも、見る人が見たら、カッコイイ伝説。私は一点に秀でた人が大好きだ。ハスラー、すごいイカス。
これを見て初めて、ビリヤードとプールの違いが分かった。「プール」と「モール」という単語は私にすごい衝撃を与えてくれた単語として記憶にきざまれている。なんで駐車場をプールって云うの? 小さいころすごい不思議だった。姉ちゃんが「溜まるって意味があるんやで」と7歳くらいの私に教えてくれた。点在していた点が線で繋がった瞬間だった。車を溜めるとこ、モータープール。水を溜めて泳ぐところがプール。モールは「集まる」って意味があるって小学校のころどっかで聞いた。京阪モールに、針金に小さい毛がいっぱいついてるモール。それにラグビーでいうモール。全部、集まってできたものだ。京阪モールは人が集まるところって意味なんだろう、多分。ラグビーのモールは、人が集まって団子になってるような状態を云う。脳内で点として置かれていた記憶が線になって面になる。そういう瞬間がすごい好きだ。今日はビリヤードとプールの違いが分かった。ずっと分からなかった。ビリヤード場とプールバー。プールは、私にもできる、穴に入れていくやつ。ビリヤードは、玉4つでルールは知らないけれども、穴に落とさない。だからビリヤードの台には、見慣れた6個の穴がない。すごい一個賢くなっちゃったよ、あたし。嬉しいな。
身体の不自由な人を愛せるかと云われたら、私は少し迷う。好きになっちゃったら仕方ないと思うけれども。でも、悩むと思う。そんなの全然気にならないなんて、言い切れるほど人間ができていない。だから乙武くんと結婚した人はすごいオナニストか、本当に愛があったんだろうなって思う。脚の不自由なサラ。それを自然に受け入れて、何とも思わないエディ。二人の関係は深くて浅い。すごいイロんなことを考えさせられた。ここ2,3日の私のテーマにぴったりだ。人間は本当に他人を愛せるのか。それをずっと考えてるんだけど。サンプルがなんせオリエ一人しかいないから答えなんて出ない。人はみんな自分のために生きているという性悪説をモットーとしている私には、他人のために死ぬというのも、結局命をかけた自慰行為でしかないって結論になってしまうんだけど。サラが可哀相で、胸が痛い。