本質

だいたい、各個人が持つ本質的な特徴は2、3の言葉で表現できる。オリエなら、お節介で面倒くさがりで嘘つき。お節介ってのは、人恋しくてするもんだ。自分をよく観られたいって願望があるんだ。そして、世話を焼いてる相手が復活してくるとすぐに手放すので面倒くさがり。相手が弱ってるときだけ構えば良い。それで、十分、良い人だって印象は植えつけられる。「オリエはいつでも、みんなに良い人だと思われたいねん」と云って、去年はワカに大爆笑されたが。旧友に「オリエちゃんのこと漢字一文字で表現できるで」と威張られ、なんだと聞くと「鬼!」と生ジョッキ片手に言い放たれたが、それでも私は良い人だと思われたいんだ。基本的には自分のことしか考えていない。そして、すごい嘘つきだ。「頑固」「偏屈」「根暗」とか。いちびり、とか。そういう簡単な言葉ほど、人の本質を端的に表す。それをいくつか組み合わせて、人の本質は形成されている。本質的な部分は持って生まれたものなので、数が少ない。「独善的」だとか「自分勝手」だとか。使い古された言葉というのは、使い古されるほど、巧い表現だといえる。あまりに的確で、あまりに端的だから、使い古されてしまうのだ。言葉は生き物だから。