姫野カオルコ 『サイケ』

1個目「イキドマリ」

巧妙で、肌で書いてる作品というよりも、記憶と妄想を絡み合わせてリアルなレベルに引き下ろしてるって感じ。これはこれで秀逸。
人を数字に例えるところや、カツカレーの話は巧い。
この人の作品は、単語を効果的に用いてるな、と思う。
この作品だと、そのために使用されているのは「復讐」「カツカレー」と、各数字。
課長と女の子の不倫を盗聴していたくだりは圧巻。


2個目 「オーモーレツ」

「ほうしゃのうを浴びる」のくだりが秀逸。
子供のささやかな精神世界を見事に描いているなぁと思った。この作品で使用されているキーワードは「疚しい」。
小さい頃の記憶の中にあったことを紡ぎだしたんだろうけれども。見事に描けているなぁと思う。
子供の小さい頃のつまんない社交の世界。
姫野カオルコが「風葬の教室」を描いたらこうなりました、って感じ。