キヨミちゃんがね、怒るのよ

「あんた、宝くじ買った?」。買ってないよ、興味ないもん。「ダメやんか! ちゃんと買いなさい」。
毎年、一緒に買いに行って、わたしの財布から一万円抜いていく。9000円分買って、お釣りの1000円を自分の財布になおし、キヨミは云う。「これ、お駄賃ね★」。目の前で買ってて何がお駄賃だよ、とおもうが口に出してはいけない。
今年は一緒にいれなかったので、毎日電話がかかってきた。「今どこ? そと? 宝くじ買って!」。はいはい。仕方ないので3000円分だけ買った。
今日、連絡があった。「あんた、どうやった?宝くじ」。そんなの、見てるわけがない。封も切らずに、どっかにある。どこにあるかは、分からない。わたしの部屋を知らない間に散らかす小人さんだけが知ってる。
「で、いつ帰ってくるん?」。今回の大阪での日程を伝えると、日曜の夜しか会えない。「んじゃ日曜やな」。あ、んー、日曜はさぁ、行きたいとこあるねん。「どこ? 誰と?」。一人で。クラブに。「ふーん。じゃぁ、ミナミが良いね、うち近いから」。え、一緒に行くの?!。「当たり前やん。監視が必要でしょ!」。仕方ないので、キヨミを連れて行けそうなクラブを探す。できるだけ大きい箱で、あたしはレゲエとか苦手だからサイケが良いねんかぁ。「箱ってなに? レゲエ、サイケって何よ」。
おまえそんなんでクラブ行く気か?
二人で電話で話しながらサイトを検索する。
「サイケなんてないで」。ああ、トランスってあったら、サイケの可能性も高いとおもうわ。でももう流行ってないのかもー。
最後にキヨミが言い放った。
「クラブって、パラパラ躍るとこなんじゃないの?」
・・・・・・えーーーーっと。それはディスコじゃないでしょうか。いや、あるけどさ。クラブでも。でも、なんかやだ。お立ち台なんていらねー。
つーか、パラパラって・・・ 聞いてて照れたわ。