読む本

藤寿男 著 「編集者ほど面白い仕事はない 体験47年出版の全内幕を明かす」

Nさんに手渡されてパラパラと読んだのだけれども。めちゃくちゃおもしろい。ある作家が2年間雑誌に連載していた作品で、登場人物を増やしすぎて収拾がつかなくなりそのまま終わらせた、とか。声を出して笑った。ちなみに、本文にはちゃんと作家の名前も出てくる。
著者がNさんを編集に引きずり込んだ人らしく。本には贈呈本ならではの送付状のようなものが挟んであった。汚い字。これは達筆とは云わん。でも、書いてある内容は70歳なんておもえないくらい新鮮で若々しい。ジジイ独特の説教臭さもなく、Nさんが「おれの大先輩で尊敬する編集者だよ」と云いきるのも納得。貸してやると云うのを断って、自分で買いますと帰って来た。お金を出す価値のあるものには、ちゃんとお金を払いたいんだ。それがまた、次の作品を生む糧になるのだもの。この人には、死ぬ瞬間にも編集者であってほしいとおもった。