溝の中の月

正直、よく分からん。が、なんだかすごい映画だった。ネタバレを一切考えずに書くのでこれから見る人は読まないように。
まず、飛躍が多い。脚本をわざとそう作ってあるんだろうか。映画好きなら分かるのだろうか。どうしてそうなるんだ?! って穴を自分の脳内で必死に埋めなくてはついていけない。そこが難点。
大まかなストーリーは理解できているのではないかと自負するも、難解であることには変わりない。
目を見張るのが、かずくんお気に入りのナスターシャキンスキーの妖艶でいてあどけない雰囲気。なんだあの女は。すごい独特の雰囲気を持ってる。うまく形容できない自分の語彙の少なさ表現力のなさを恨むほど、魅惑的な女だ。主人公はどうやらオトコマエっていう設定らしいが、私の好みのタイプではないのでまったくピンとこない。あだちみつるの漫画で「みゆき」や「タッチ」のヒロインたちが美人だと言葉にして書かれるまで美人だと認識できなかったことを思い出す。ああ、美人っていう設定なんだ。そう思わないといけない。見てても分からない。苦しい。
ラストは正直驚いた。こんな展開なのか・・・ と。これを見て感じたことは、ただひたすら「女は怖い」「男はやっぱりバカだ」ってことだ。
女のバカさには、ものすごい陰の要素がある。女々しいという言葉は男のために作られた言葉なので、男を表すものだが。嫉妬に狂うお姉ちゃんは、陰なのだな。女々しい。でも、こういう女には憧れるし、個人的には大好きだ。自分のほしいものに真っ直ぐに偽らずに向かっていく。けれど、お金には弱い。いいぞぉ。人間くさい。
主人公は、すごいバカだ。こういう男は嫌いだ。
ナスターシャキンスキーは不思議だ。本当に顔がアップになるたびに引き込まれる。あれが眼力ってやつか?
もっかい見て考えよう。まだ整理しきれていない。でも、かずくんがこれを好きだというのはなんとなく分かる。
あのお兄ちゃんはこういう力業で進む映画で、一点だけでも気に入れば「すきだ」と言い切るのだ。そしてDVDを買う。
レンタルしろよ!! と思うのですよ、センセイ。まぁいいけど。だから嫁がこないんだぞ? と余計な心配もしてみる。