歯医者

歯医者に行ってる。あっちゃんが「これで歯医者に行って来い!」と、くれた2万円で歯医者に通っている。きっとこのお金がなかったら歯医者には行ってない。「この2万円は歯医者で使わないと」という変な使命感が私を歯医者に通わせている。
「今日は詰め物したので、今日一日ガムとか食べないでくださいね」と衛生士さんに云われる。「ガム食べないから大丈夫です」「きらいなんですか?」「いえ、噛んでるの、疲れるんですよ」。衛生士さんが思わず噴き出して何を笑われているのか分からなかった。あたしが世界一恐れていて世界一尊敬しているうちの姉ちゃんが歯科衛生士だったので、私にとって衛生士というのは「なんだか分からないけれどもすごい人」だ。そんな人が笑ってくれるなんて。すごい嬉しかった。
「あれ、散髪したんですか」とまたその衛生士さんに聞いたら「先週ですよぉ。でも、散髪って!」「え、んじゃなんて云うんですか。やっぱりカットとか云うんですか。照れ臭いですよ。カットカット。はずかしい」。また笑ってもらえたので、とても満足だ。
私は歯医者に何しに行ってるんだろう。