ディズニーランド襲撃

書かなくてはなるまい。こんな忙しいときに・・・w

かずくんの到着が2時くらい、との連絡を受け、タイミングを見計らってディズニーランド襲撃。
みやげ物を買いたいというので、ショップで待ち合わせることに。
なんだこの広さはーーーーーーーっ。なんだこの地図の分かりにくさはーーーーーーっ。バカにしやがって! とプリプリしながら歩いていると、背後からナンパ。かずくんだった。
この人は、気になっていることがあると落ち着きを失う人だ。みやげ物で頭がいっぱいになっているので、こういうときは、行きたいところがあってもみやげ物を先に一緒に探すのが賢明。そうでないと、会話の合間合間に「みやげ物が・・・」というセリフが挟まれることになってしまう。
どうせノルマみたいな土産物だ。選ぶのを手伝ってあげよう♪で、なぜか、ある一店舗に固執するかずくん。何にそんなにこだわっているのだろう・・・。「スィートなんとかに行きたい」これを繰り返す。何があるんだろうとおもったら、そこだと買ってそのまま宅配便で送れるそうだ。
この下調べ具合が、かずくんぽくて、わたしはたいそう嬉しくなる。んじゃそこに行こう!
場所だけ確認して、他の土産物屋も覗く。夢の国と云えども根底にあるのは資本主義。ところどころにかいま見える失敗した戦略。あの姫キャラのミニーマウスはないだろ、ディズニー!! 今プリンセス系で責めてるみたいなんだが。どのキャラもごてごてし過ぎて、ドラァグクイーンのようだ。ディジーやミニーなんか元から凄まじい付け睫なんだぞ。それをあんなデコラティブにしちゃったら、もう目も当てられない。「ニューハーフみたいやな、これ」ぬいぐるみを手にとってケタケタ笑うあたしの横でかずくんは「ほんまやな・・・」と頷いていた。
二人で楽しく散策していると、かずくんの携帯が鳴る。あたしの出身校にいたセンセイが、卒業生が来るなら見たいと云ってるらしい。自分がいる場所まで来いと云う。
「逢いたいならお前が来い!!!」
声に出して「なんやねん、そいつ。舐めてるな」とブツブツいつもの調子で愚痴るあたし。苦笑いするかずくん。
自分勝手な御仁登場。あっはっは、知らん、こんなおっさん。
御仁「ああ、覚えてないなぁ・・・。いつの卒業生?」
おりえ「わたしは覚えてますよぉ。授業を持って頂いたことはないんですけど。センセイのことは覚えています!」
御仁、覚えていると云われ急にご機嫌になる。おれは覚えてないんだけどなぁと繰り返し、いろんな教師の名前を出してくる。途中「仙丸の爺」という言葉が挟まれて、非常に不愉快な気分に襲われるも、今日の目的はかずくんに周囲からの羨望を集めること。ここはグッと我慢だ。
「仙丸先生に担任していただいていたんです。仙丸先生は、絶対にわたしのこと覚えてらっしゃるとおもいますぅ」
「なんか委員とかしてたの?」
そんなことでしかインパクトを残せないようなヌルイ生徒ではなかったのよ、あたしは。
「いえ、とてもお世話になったので・・・」
だが、仙丸先生はあたしのことをずっと「おりえちゃん」と呼んでいたので苗字を知ってるかどうかはちょっと不安・・・
完璧なエンジェルスマイルで御仁をご機嫌にさせ、撤退。
「あはは、あんなおっさん知らんわ」
姿が消えたのを見て言い放ったあたしに「え? 覚えてなかったん?」「うん。知らんよ。ほら、生徒が覚えてるって云えば、教師って嬉しいもんやろ。だから覚えてるって云うてみただけ」
「おれも騙されてた・・・」
あなたが騙されてどうするんですか先生。
本部に詰めないといけないんだ、というので、本部についていくことに。
本部?これが本部?
めっちゃウケる。
一番広くフリーに使えるレストランのスペースに陣取って、家族についていくのがちょっとしんどいお父さんたちがたむろしているようにしか見えない。これを本部と呼ぶのか!
呼ぶんだろうな・・・。教師だもんな・・・。
本部には、さきほどの出身校のセンセイもいた。やたら絡んでくる。かずくんと楽しく過ごしているのに、邪魔なんだよテメー。でも、笑顔で対応。今ならあたしはどんなに安い店のキャバ嬢にでもなれる!
「来るんなら、女の子をもっと連れてきてくれたら良かったのに」
は? 今なんて云いました? あたしは卒業生として来ているんだぞ。なんだこのおっさん。最低だ。
ちなみに、この人、かずくんの日記(2月3日参照)のYさんだ。なにが生徒のカリスマだ。単なるエロ親父じゃねーか。この発言ひとつで、あたしを生徒ではなく女として見ていたのがハッキリ分かる。
このどんくさい発言を受けて「今の聞いた?あれは云うたらあかんよなぁ」と云うあたしに、かずくんは「んー、そやなぁ」と立場を鑑みた対応をしてくれていたが、腹の中ではちょっと笑っていたはず。ある意味、あたしらの勝利だ。良い気分。
「ねぇ、かずくん。きっとね、他の女の先生たちより絶対におりえのほうが美人だとおもうのよ」
「はぁ・・・」
「良かったね!」
「はぁ・・・」
本部にいると、女の先生が続々と登場。どれもこれもフフンって感じだ。
「あんなんしかおらんの?」
「あんなんて、おまえ。あの奥に座ってはるのが旅行会社の人や。まぁ、みなさん、ああいう感じやわな」
「ふーん、毎日あんなん見てたら、たまにおりえ見たらびっくりしてまうな」
「はぁ・・・」
ブサイクばっかしじゃねーか!!と憤りつつ、ちょっと鼻高々に微笑むあたしに終始無言で対応するかずくん。
「かずくん、無言でいるってのは、肯定してるってことなのよ?」
「え? ああ、そうか。いや。え?」
「ケケケケケケ」
こんな笑いは、この日はかずくんの前だけで。生徒に何度か逢い「うわー、先生の彼女ーー?すげー美人やん!」。よしよし、良いぞ。もっと誉めろ。今日の狙いは君たちのその反応なんだ。そんな狙い通りのリアクションに、あたしは何も云わずに微笑んで返す。生徒から投げつけられる言葉に聞かれてもないのに「若く見えるけど、こいつ27歳やぞ」なんて云ってるかずくん。何をうろたえてるんだ。その動揺具合が、生徒にさらなる疑惑のタネを蒔いてるというのに。
うははははは。この笑顔で天下取っちゃる!
「できるのは知ってたけど、そんな顔して笑うの、おれ初めてみたわ」
「なんでかずくん相手に営業用スマイルせなあかんのよ。顔の筋肉痛くなるのに。でも、完璧やろ?」
「うん。すごいな。完璧やわ」
そう、完璧にやり遂げた。思い残すことはない。毎年やりたいなぁ、これ。
途中からピンクのふわふわのミニーちゃんの帽子をかぶって歩いていたあたし。
帰宅してきたワカコにかぶって見せたら
「あんた、それかぶってかずくんの横歩いてたん?」爆笑していただく。ほんまに嫌がらせしに行ってたんかい!
ワカコさん、何をいまさら。知ってたくせに。