外出

がんばって外に出てる。
外に出始めると、いろんな人に出会う。
2年ぶりに会ったデザイナー。大学が大阪で、話が合う。「おれんとこ、湖池屋の仕事やってるよ。おりえちゃん、好きだったよね、湖池屋
「えっ。湖池屋の人に伝えておいて。カルビーより美味しいって。もっと規模拡張して、シェアを増やしてって。んで、ずっと応援してますって。良い仕事してるよ、あんたんとこは!! って伝えておいて!!」
「ああ、うん。そんなに好きだったの?」
「うん。製造工場に住んでも良いくらい好き」
2年も経てば人は変わるとおもってたんだけど。なんにも変わってないんだねぇと変な感心のされ方をした。微妙だ。
弱小レーベルの髭のお兄ちゃんにも久々にあった。こっちは偶然、ばったり会った。「うわあああっ、おりえ!」と背後から大きめの声で話しかけられ、少し金縛りにあうわたし。誰だ、誰だ。ゆっくり振り返って、びっくり。走ってって抱きつきそうになった。この兄ちゃんと云ってももう43歳。大阪では同じ年の人を「パパン」とか呼んで父親扱いしてるのに、この兄ちゃんは兄ちゃん。口説くでもなく、ただ「おまえといると楽だ、居心地が良い」と云って、一人でひたすら飲む人だ。良い人だ。何をしてるかを詳しくは知らないが「弱小レーベル」だと本人は云ってるので、きっと音楽関係の弱小レーベルなのだろう。会社の人に「部長」と呼ばれていたので、恐らく部長なのだろう。え、こいつが部長? テルなんとかって名前なのでテルと勝手に呼んでいたんだけれど。
「へぇ〜。出世したやん、部長って。えらい年功序列な会社なん?それとも飛ばされて一人ぼっちの部で部長なん?」
「うはは。良い勘してるなぁ」
そんなわけはないんだけど。すごい有能だってのは、テルの上司から聞いてて知ってる。でも、誉めてしまうと照れてしゃべらなくなるので、この程度で良い。
「おれ、ちょっとお茶飲んで帰るよ。先に帰ってて」
一緒にいた人達に告げるので、んじゃおりえも帰るわーと手を振ると「あっはっは。おりえとお茶飲むんだよ、久々に会ったんだし付き合ってよ〜」。仕方ない。ハーブティーを頼んだら、すごい色の飲み物が出てきた。カシスソーダみたい。近況を聞いて、で、おまえはと突っ込まれて嘘まみれの話をしたら一頻り笑ったあとで「で、本当は何してるの?」。敵わない。ちょこちょこと話して、「んじゃいつか俺もどっかで役に立てるかもしれないね」とウシシと笑った。
自由が丘の駅前で、丸顔の美人がこっちを見ている。んー、きれいな人だなぁとおもっていたら近づいてきた。「お・り・えちゃん!」。うおお!! 近くに住んでるのは知ってたけど、こんなとこで逢えるなんて。立ち話は寒いのでお茶飲もう!と。31歳の丸顔の美人は、手作業が好きなMac遣いのデザイナー。デザイナーばかりだな。仕方ない。「最近ね、サダヲちゃんが好きなのよ」と。ああ、あれな。相変わらず、姉さん男の趣味変だよ。彼氏は毎回すごいオトコマエばっかりなのに。わたしはこの人に出逢って初めて本物の心霊写真を見た。しかも生霊。「わたしね、憑物が寄ってくる体質なんだって。だから、おりえちゃんと仲良くなりたいのかもしれない・・・」と上目遣いに話しかけられたのが最初だった。なんだこの女は・・・とおもったんだけど、かなりおもしろいので仲良くなった。憑物に好かれる女がどうしてわたしと仲良くなれるという図式が成り立つのかが、未だに分からない。聞いても「んー、わかんない。フィーリング?」ってこっちが聞いてるんじゃ! で、携帯番号を交換して帰って来たんだけど。
昨日遅くに「今日のサダヲちゃん、見た? わたし、まだ会社なの。見てたら教えて」。ああ、はいはい。タイガー&ドラゴンですね。見ましたよ、岡田君が出てるのでね。
西田敏行の長男で、テレビに出ている人気落語家。
けれど、ここ数年落語はやっていない。
レポーターなどをメインにやっているタレントになっている。一家の稼ぎ頭だ。途中までは寒いネタを連発し、痛い役所だったが、最後は岡田准一を叱り飛ばす渋くおいしいところを持って行った。今日のサダヲちゃんは、そんな感じ。アフロヘアが最後にヅラだと分かる瞬間はかなり笑った。」
返事を送ると「自分で見たあとの感想のようだわ。ありがとう!サダヲ〜(はぁと)」って。もう32歳になるのに・・・
しばらくサダヲリポーターになりそうだ。
いろんな人に再会すると、元気になれるね。ちょっと、元気になった。身体がそろそろ限界なので、ちょうどいい。血圧が低すぎて真っ直ぐ歩けなかったり、食事して水分も摂ってるのに視界がグルグル回ってることが多い。早く元に戻らないかな、身体。ちなみに、Nさんからは未だ連絡がない。
なにがあったんだろう。