BOY MEETS GIRL//レオス・カラックス監督

DVDをかずくんに借りて、ジャケットを見て第一声「すごい不細工だね、この男の人」。かずくんは苦笑いしながら説明してくれた。無神経な女でごめんなさい。
最初は正直淡々と進んで訳が分からなかった。退屈だ。爆発はないのか。とか。でも、壁に書かれたものを見て、ぞっとした。それから次々にでてきた。うわ。なんやこいつ って思うシーンが。
フランス映画のステキなところは、繊細で、言葉が生きてるところだ。いくつか、染み込んでくるセリフがあった。今の私に、良い刺激になるセリフ。

人は、弱っているとき寂しいとき、つい近くにあるものにもたれかかってしまう。私は、そういう弱さは理解できるし憐れにも思う。ミレーユの「助けて」って言葉が、心に響く。本当に苦しくて、逃げ場のない、やりきれなさ。人を惚れさせるのは、簡単だ。けど、人に惚れるのは、大変だ。どうにもならないものがある。私は、ずいぶん大きくなるまで、人の代わりは人にはできないのだなってことが分からなかった。それで、たくさんの人を、傷つけた。
主人公が口説くシーン。絶対に抱かれたくない、と思った。